欧米の学校にもスクールカーストってあるの?
こんにちは!
留学体験ブログの合間に欧米の今を考察していくCultural Insight(文化的洞察)
記念すべき第一回目のテーマは、スクールカーストについてです。
初回からセンセーショナルな内容ですが、興味のある方はぜひお付き合いください。
しかし誰が命名したのか知りませんが、スクールカーストとは本当に嫌な響きですね。
ご存知の通り日本の学校のクラス内では、すでに小学校から(もしかしたら言語化されていないだけで幼稚園から…?)一軍・二軍・三軍などのポジションの棲み分けがあります。
一軍がカースト上位集団で、多くの場合先生からの覚えも良く発言力もあり、クラスの盛り上げ役で人気者、そんなイメージですよね。スポーツが得意だったり可愛かったりかっこよかったり。コミュ力が高いことや要領が良いことも特徴でしょうか。
こんなの馬鹿馬鹿しくてやってられない、日本じゃないどこか他の国の学校に行きたい、と思われているお子さんもいるのではと思います。
BUT。ここは大きなBUTです。
アメリカをはじめヨーロッパでも、そしてもちろんカナダにおいても、実はスクールカーストのような概念は存在するのです。というより、そもそも論として、長らく階級制度が社会を構成していたヨーロッパ、そしてそこから自由を求めて旅立っていった北米の開拓者たちの末裔ですから、社会文化的に深く根付いていた概念だと思えば、当然といえば当然かもしれません。
マジかよと出鼻からやる気を削いでしまったらすみません。でもどうか最後まで読んでみてください。欧米におけるスクールカーストの中身がわかってくれば、それが日本におけるものとは少し様子が違っていて、それほど恐れるものではないと胸を撫で下ろせることと思います!
ではさっそく、前提として何が日本と決定的に違うのか、そこを押さえてから具体的に見てみたいと思います。
日本のスクールカーストの弊害
日本のクラスルームはとても硬直化した世界ですよね。
4月の新学年スタート初日にクラス分けの発表がありますが、生徒にとってはここで発表されたメンバーの善し悪しがその後の1年という長い期間の質を決定づけてしまうので、誰もがハラハラドキドキしているのではと思います。
良い面々に恵まれれば1年がとても楽しみになりますが、そうでない場合には今後のクラス生活に不安を抱えながら新学期をスタートすることになるでしょう。
多くが「ぼっち」になりたくない一心で早い段階からグループを形成して、そこでできた仲間と固まった後はグループ間を流動的に移動することは殆どないようですね。もちろん気が合わなくて、あるいはもっといい仲間を見つけて、グループを移ることはあるのでしょうが、それも夏前にはガッチリ固まっている、そんな印象です。
そして「3年A組」のように固定された教室の中で、同じメンバーと1年間過ごすわけです。
問題が起きても逃げられる場所はなく、新たな友達を見つけることも難しい閉ざされた世界。そういう狭い世界の狭い人間関係に晒されたら、カースト下位などという不名誉なポジションをあてがわれ、存在を軽んじられている生徒にとっては、教室はまるで悪夢のような環境でしょう。
逃げ場のなさと選択肢のなさ。ここが欧米と決定的に違うところ、日本のスクールカーストと呼ばれるものが時に執拗で陰湿ないじめを生んでしまう要因だと思います。
カーストという名前がまさに表しているように、上位の生徒が空間の暗黙のルールを決め、下位の生徒は発言権を奪われて流れに従うしかない、そういう見えない上下関係が、教室という狭い世界を支配しているからです。
欧米の学校のシステム
一方で、欧米の学校システムはどうでしょうか。
ご存知の通り「何年何組」というホームルームの概念がなく、生徒が自分の選択した科目スケジュールに従って教室から教室へ移動するので、そもそも固定された場所もメンバーもありません。特に選択科目になると、同じクラスをとっている生徒の学年すらバラバラです。
学校によっては朝一番にホームルームに割り当てられた教室に寄って、先生から連絡事項など伝えられることもありますが、それも朝のほんの数分のことです。
「教室」というものが、授業を受けるための「場」の役割しかないということがわかります。
また、授業と授業の合間も、教室に残っておしゃべりする時間はほぼありません。なぜなら、公立校の多くは生徒数が千数百人を超えるようなモンスター校で校舎もとても広いので、次の教室が校舎の反対側にあるような場合は、下手をすれば走って移動する羽目になるくらい、休み時間が短いのです。というより、休み時間は休む時間ではなく、教室移動のためなのですね。
映画でもよく見かけますよね。授業終了のベルがけたたましく鳴った途端に、先生がまだ話していようがなんだろうが、さっと自分の荷物を引っ提げて一斉に次の教室に向かって散り散りに去っていく、あの様子。あれは失礼な態度でもなんでもなく、急がないと次の授業に間に合わないからなのです。
このように、教室もメンバーも授業ごとにガラリと変わって一箇所に同じメンバーで留まることがない環境なので、特定の生徒をターゲットにして集団で揶揄ったり無視したり、といったような継続的かつ集団的ないじめは発展しづらいと思われます。
ここからは私の個人的な意見ですが、おそらく欧米におけるスクールカーストとは、カーストのどこに位置しているかで支配的な上下関係が発生してしまうような性質ものではなく、広く学校内における個々のステータスのようなものを象徴しているのだろうと思います。つまり、それぞれの特徴に沿った分類であって、その中で仲の良い友達グループが出来上がり、それぞれの層が独立していて互いに干渉しない、そのようなものではないかと感じました。
そういう意味では、カーストやヒエラルキーといった表現は正しくなさそうですね。
余談ですが、欧米ではいじめに対して非常に厳しい措置が取られます。教員側もいじめは容赦しないという姿勢を貫いていますし、いじめをした方が休学措置、ボランティア時間の追加、親への指導、カウンセリングなどペナルティを受けることになっています。
そうした学校側の姿勢もあり、特に大学進学を控えた高校生ともなってくると、成績に直結するためか、あからさまないじめなどはほとんど見られなくなる、という印象です。
そういう意味においても、スクールカーストのようなものはあるとはいえども、それがいじめに直結するような類のものではない、と言えると思います。
もち子曰く、Grade10を過ぎてくると、そんなことをしている人間は皆無と言っても良いほどだそうです。違うグループの生徒にはほぼ関わらないのだそう。それはそれでどうなの?と思いますが、他人に興味を持たないのは良くも悪くも現代っ子の特徴なのでしょうか。
北米のスクールカーストはこんな感じ
最後に、北米のカーストは一般的にどんなものかまとめてみました。
(彼らはカーストと表現していないので、そこはご注意ください)
ピラミッド型のグループの棲み分けがあり、日本のいわゆる一軍に当たる生徒たち、二軍に当たる生徒たち、そして三軍、さらに枠外(!!)があるようです。
Claudeに頼んで作ってもらった図がこちら↓

もち子の体験談やネットの情報を総合すると、実際にはこんなに厳密に階層があるわけではなく、Tier1と2、そしてTier3と4は混ざり合っているような気がします。ざっくりとTier1と2が日本でいう一軍、Tier3と4が二軍、そしてTier5が三軍と考えて良さそうです。
ところで図の中には書かれていませんが、これらのヒエラルキーのトップに君臨するような、Tier1の中でも学年に一人か二人しかいないボスが存在するそうです。そしてその人物から友達と認定されることは一軍のステイタスであるらしい笑
一体どんな生徒かといいますと、まずめちゃくちゃ可愛い/カッコいい、成績がいい、社交的、リーダー、お金持ち、そして性格も良い、いつも笑っている、そんな人物だそうです。(一説には性格の良さは表面だけとありましたが)
本当にそんな生徒がいるんですねー。映画の世界のよう。親がお金持ちであることがスペックに入ってくるの?と気になるとこではありますが、まあゴシップガールを観ていたら納得、という感じでしょうか。
それぞれのプロファイル
さて。ネットとYouTube情報から、それぞれのグループの特徴をまとめてみました。
もちろんあくまでも一般論としてですので、ぜひ参考程度に読んでみてください!
Tier1は、みなさんご存知アメフト選手とチアリーダーたち。クラシックですねー。やはりここは昔から少しも変わらないんだなとしみじみ。その他、サッカー部バスケ部など人気スポーツチームのアスリートたち。スポーツが得意というのは、万国共通でリスペクトされる対象なんですね。
彼らのことを知らない生徒はいない、というくらい広く顔と名前が知られていて、ホームカミングパーティーやプロムの「キングとクイーン」に選ばれるのも、ほぼこの層からだそうです。確かに。私の留学時代の記憶からしてもそうでした。というか、アメフトの花形選手とチアリーダーしか選ばれて無かったですね、はい。生徒の投票なので。
彼らは教師からも優遇されることが多いそうで、この辺は日本と似てますね。
そしてTier1と友達でいることで地位を得ているTier2の生徒たち。
情けなくない?と侮るなかれ。みんなに人気なのはここの層の面々です。
それぞれで何か特別な資質があるわけではないけれど、日本でいうところの陽キャのパリピ軍団なので学校内での影響力は大きく、また仲間内のネットワークが緊密なため、学校内のゴシップをほぼ把握しているとのこと(こわ!)
SNSのフォロワーが沢山いて、流行を発信するインフルエンサー的存在だそうで、この辺はとても今時ですね。
特に女子はおしゃれや美容に敏感で、いわゆるMean Girls(意地悪な女の子たち、という意味ですが、同名の映画があります。英語圏の学校で道徳の教材にもなっているほど有名な作品で、いじめっ子とそれに対峙する生徒のお話です。古い映画ですがとても面白いのでご覧になっていない方はぜひ観てみてください)的な存在もこのグループに生息しているそうです。
Tier3と4は、ボリュームとしては一番多く、かなり多様な特徴のメンバーで構成されています。
Tier3は吹奏楽部、演劇部、そしてアートやダンスなどクリエイティブ系生徒の層だそうです。つまり文化部系と括って良いでしょうか。
アイビーリーグに行くような非常に成績優秀な生徒、そして生徒会の生徒などもここに分類されていました。日本だと、このあたりにも一軍の生徒はたくさんいると思うのですが、欧米の価値観だと何はともあれスポーツができる、ということが最重要事項なのでしょうか。。なんだか納得。
ところで、Tier3の生徒は素晴らしい資質があって存在をリスペクトはされているけれども、このグループから一軍に上がったりすることはないそうです。うーむ。やっぱり運動部一強状態ですね。
Tier4がいわゆる「普通の生徒」たち。
ここが人数的に一番多いので、例えばある一つのクラスでは友達がいなかったとしても、他のクラスに移動すればいくらでも気の合う仲間を見つけられるわけなのですね。
ここの層の生徒たちは、特定の仲良しグループで固まらずに、同じ授業の仲間やクラブ仲間など、行く先々で複数の居場所があり、それぞれのグループと緩く繋がっているそうです。
この層にいたら、スポットライトは浴びないかもしれないけど波風が立つこともないという点で、きっと一番安定して平和な学校生活を送れるだろうと思いました。
最後にTier5といわれる層です。
ネットにあったものをそのまま転載しますと、
ゲーム・アニメ好き、ゴシック系のメイク・ファッション好き、一匹狼、パンクやオルタナティブロック好き、などの特徴がある生徒の層だそうです。それぞれ呼称があるのですが、わりと侮蔑的なのでここでは割愛します。
もち子情報や私自身の経験、そしてネットの情報から考えるに、確かにこの層が気まぐれ的にからかいの標的にされることはあると思います。そこは日本と変わらないんだなあと思います。
ゲームアニメオタクで何が悪い!オタクを馬鹿にするな!と声を大にして言いたいところですが、子供の世界はどこに行ってもそんなものなのかもしれません。
ただ、北米の場合には救いがあります。
確かに図の上では最下位に貶められている彼らですが、実生活においては、独自の際立った世界があるゆえにそれぞれに強固な友人グループがあり、共通の趣味仲間同士で楽しくやっている印象です。友達がいない寂しい人、弱い人々、というイメージとはだいぶ異なっているように思うのです。そこが日本とだいぶ異なる点です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の内容はもちろん一般論ですので、国や地域、またそれぞれの学校でも細かなところで雰囲気は異なると思います。また、公立高校を想定して書いていますので、もし現地の私立高校に行かれる方がいらしたら、ひょっとしたらこの内容は沿わないかもしれません。私立高校はどちらかというと人数も少なくてやや多様性に欠ける場合が多い(アジア人が多い、など)ので、その時は参考程度に思ってくださいね。
もしこれを読んでくださったみなさんの中で、うちの学校はこんなだよ!などあればぜひコメントに残してくださったら嬉しいです。
これから海外の高校に留学を考えてるお子さん、またその親御さんにとって少しでも有意義な内容をお届けできていたら幸いです。
現地の高校はどんな雰囲気なんだろう・・・と不安になる生徒さんもいるかもしれませんが、行ってみると、割とみんなそれぞれのスケジュールを淡々と、あるいは楽しそうにこなしているのをみて、ほっと肩の力が抜けると思いますよ!
ここまでお読みいただきありがとうございました。


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